研修レポート「顔の見える関係が、支援をつなぐ力になる」〜本人・家族への支援と地域連携〜

イベント報告

3月18日(木)に、ちとせの介護医療連携カレッジ 多様化する地域連携の実践コース④「本人・家族への支援と地域連携〜顔の見える関係づくり〜」を開催しました。

今回の講師は、社会福祉法人せらぴ 千歳地域生活支援センター センター長 奥貫 あい子 氏。 介護保険分野と障がい福祉分野をまたぐ「8050問題」をはじめ、精神障がいのある方への支援や、本人・家族との関係構築のリアルを、具体的な事例を交えてお話しいただきました。

今年度の連携カレッジ 最終回となる今回は、ケアマネジャー・相談支援専門員・保健師・社会福祉士・看護師など多様な職種から、総勢36名が参加! 会場には熱気があふれ、グループワークでは職種を超えた活発な意見交換が行われました。

 


💡「千歳地域生活支援センター」について

今回の研修で特に印象的だったのが、アンケートで複数の参加者から寄せられた、この一言。

「千歳地域生活支援センターの存在を初めて知りました!今日知ることができてよかったです。相談に行きます」

「千歳地域生活支援センターを初めて知りました」

介護分野ではなじみの少ない、『地域生活支援センター』
千歳地域生活支援センターは、平成15年に開設された精神障がい分野の専門相談機関。
相談支援はもちろん、居場所(いこいの場)・生活支援(食事・入浴)・就労支援・退院に向けた支援まで、幅広い機能を持っています。

月〜金は夜19:30まで、土曜日も開館。相談・通所は無料で利用でき、精神保健福祉士等の専門職が複数在籍しています。

「何かあった時に相談してもいい」と分かるだけでも安心。

研修を通じて、地域にある「頼れる場所」を知ることが、支援の幅を広げる第一歩だと改めて感じました。


🤔「バウンダリー(境界線)」 知っているつもりで、引けていますか?

今回の研修でもっとも多くの参加者の心に刺さったテーマが、「バウンダリー(境界線)」

・電話が頻回にくる。
・話が切れずに長時間になってしまう。
・「極端な依存」や「試し行動」がある。
・些細なことで急に攻撃的になる。

…こんな経験、ありませんか?

奥貫先生は「これはバウンダリーが曖昧になっているサインかもしれません」と指摘。バウンダリーが崩れると、共依存・試し行動の激化・逆転移といったリスクが支援者にも利用者にも生じると丁寧に解説してくださいました。

アンケートにはこんな気づきが溢れていました。

「バウンダリーを引く事の大切さ、信頼関係を結ぶ必要性を改めて感じた」

「バウンダリーについては改めて大変勉強になり、もっと勉強を深めたいと思いました」

「どこで線を引くか、考えようと思う」

「頭ではわかっているけれど、実際に引くのは難しい」——そのリアルな声こそが、今回の研修の核心でした。

バウンダリーの引き方には4つのポイントがあります。

  1. 時間のバウンダリー:最初に終了時間を提示し、「続きは次回に」と構造化する
  2. 役割のバウンダリー:医学的判断は専門医に促すなど、自分の役割の範囲を明確にする
  3. 言葉のバウンダリー:攻撃的な言葉には「I(私)メッセージ」で状況を伝える
  4. チームのバウンダリー:「二人だけの秘密」を作らず、チームで支援していることを意識してもらう

🤝 介護×障がい、連携の「実際」を共有

今回の研修では、8050世帯を含む高齢分野との支援事例も2ケース紹介されました。

共通していたのは、「事前にセンターの役割を説明していたこと」「本人との出会い方を丁寧に考えたこと」でした。

「紹介するだけでは繋がらないこともある。どのように出会うか?も大切」

この言葉は、参加者の胸に深く刺さったようです。アンケートには、こんな声が届きました。

「介護のケアマネさんに障がい分野の相談先を知っていただけるよう、積極的に顔なれしたりつながれるよう取り組んでいきたい」

「8050問題が増える中、連携し情報の横断的共有をしながら対応していきたい」

「抱えこまず、関係機関で共有し支援していく」


📊 アンケート結果

今回も参加者全員(18名回答)から「合致していた」または「概ね合致していた」との回答をいただきました。

合致していた 概ね合致していた あまり合致していなかった
14名(77.8%) 4名(22.2%) 0名

また、今後さらに学びを深めたいテーマとして多く挙げられたのは、以下のとおりです。

  • 精神疾患の種類・関わり方・支援事例(複数回答)
  • 障がい者支援と介護との連携のあり方
  • 8050問題など多問題ケースへのかかわり方

「重層的なケースの事例検討会があると助かります」という声も複数いただいており、次年度の研修テーマのヒントになりそうです。


🌱 年度最終回を終えて

今回は今年度の連携カレッジ 最終回ということもあり、「1年間ありがとうございました」「また参加させていただきます」「毎月ありがとうございます」といった温かいコメントをたくさんいただきました。

「いろいろな気づきがありました。より深化とありがとうございました」

「とても良い研修であり、ためになりました」

「顔の見える関係」は、一度の研修で完成するものではありません。こうして集まり、話し、気づきを持ち帰り、明日の現場に活かしていく。その積み重ねが、千歳の地域連携を少しずつ、確かに育てていると感じます。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!


✎ ちとせの介護医療連携カレッジ 来年度も開催予定!

来年度も連携カレッジを開催いたします。

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