介護現場の未来を切り拓く新たな一歩
2025年3月28日、「ケアプランデータ連携システム活用促進モデル事業 報告会」が札幌市のTKP札幌赤レンガ前およびZoomで開催しました。当日は現地とオンライン合わせて48名が参加し、ケアプランデータ連携システムに関する情報・活用についてのポイントと当会でのモデル事業の報告を行いました。
デジタル化がもたらす介護業界の革新
第一部では、国保中央会より「ケアプランデータ連携システム」の概要と導入効果について説明がありました。このシステムは、従来FAXや郵送で行われていたケアプランのやり取りをデジタル化することで、業務効率化とコスト削減を実現します。
主なメリット
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転記ミスの防止:情報管理の正確性向上。
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人件費削減:手作業が減少し、職員の負担軽減。
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迅速な情報共有:リアルタイムでのデータ連携が可能。
例えば、ある事業所では導入後にケアプラン作成時間が約30%短縮され、職員が利用者対応に集中できるようになったとの報告がありました。参加者からは「具体的な運用方法」や「導入準備に必要な手続き」に関する質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。
生産性向上への具体的な取り組み
第二部では、厚生労働省生産性向上推進室から介護現場の生産性向上策について講演が行われました。特に注目されたポイントは以下の3つです:
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業務の明確化と役割分担
職員間で役割を明確にすることで、無駄な作業を排除し効率化を図ります。 -
手順書による標準化
業務フローを統一することで、新人職員でもスムーズに仕事を進められる環境を構築します。 -
ICT活用による負担軽減
テクノロジーを活用することで記録作業や情報共有の手間を削減し、職員が本来の介護業務に集中できる環境を整えます。
これらの施策は、職員の負担軽減だけでなく、利用者へのサービス品質向上にも寄与するとして注目されています。
現場から見た導入効果と課題
課題
第三部では、ちとせの介護医療連携の会より、システム導入前後の効果測定結果と課題について報告がありました。
導入後の成果
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業務効率化:記録作業や情報共有時間が短縮され、生産性が向上。
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利用者満足度向上:迅速な対応が可能になり、サービス品質が改善。
課題
一方で、人材不足や初期導入時における職員への負担増加も指摘されました。
解決策
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ICT教育プログラムによる職員スキルアップ。
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業務量に応じた柔軟な人員配置。
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導入初期段階で専門スタッフによるサポート体制強化。
これら具体的な提案には参加者からも多くの共感が寄せられ、「自施設でも取り組みたい」といった声も聞かれました。
未来への展望
今回の報告会は、「ケアプランデータ連携システム」が介護現場に革新をもたらす可能性を示す重要な機会となりました。参加者からは「他地域でも同様の取り組みを進めたい」「成功事例をもっと知りたい」といった声が聞かれ、このテーマへの期待感が非常に高いことが分かります。
今後期待される取り組み
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システム導入事例を全国的に共有し、横展開を推進。
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継続的な効果測定を行い、改善策を検討。
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ICT教育や人材育成を強化し、導入初期の負担軽減を図る。
御礼の言葉
今回の「ケアプランデータ連携システム活用促進モデル事業の実施にあたり、多くの方々にご協力いただきました。北海道保健福祉部、国保中央会、厚生労働省生産性向上推進室、千歳市内の事業所の皆様、そして参加者の皆様に心より感謝申し上げます。貴重な時間を割いてくださり、ご提供いただいた情報は、介護業界の未来を築くための重要な一歩となりました。引き続き、皆様のご支援を賜りたいと思います。
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