第2回 施設サミットの報告

イベント報告

ホームページをご覧の皆様、こんにちは。

千歳市在宅医療介護連携支援センター 木下です。

本日は、5月19日(土)13:00-15:00で開催した

大盛況!『第2回施設サミット』の報告をさせていただきます。

座長:千歳第一病院 MSW 佐藤知三(企画の立案者)

アシスタント:北星病院 MSW 内堀幸乃(期待の若手SW)

【豪華シンポジストたち】

① 千歳市 医療法人社団いずみ会 介護老人保健施設 北星館 向出 泰平


② 千歳市 社会福祉法人千歳福祉会 特別養護老人ホームやまとの里 今成 光

③ 千歳市 株式会社草創 住宅型有料老人ホームりんごハウス 緒方 晋

④ 北広島市 医療法人社団翔仁会 介護老人保健施設エスポワール北広島 佐藤 幹博

⑤ 栗山町 社会福祉法人愛全会 介護老人保健施設ガーデンハウスくりやま 山本 邦雄

⑥ 栗山町 社会福祉法人栗山福祉会 特別養護老人ホームくりのさと 澤川 雄介

⑦ 長沼町 株式会社 ケアフォレスト 白ゆり 介護付き有料老人ホームかえでの杜 杉山 義光

それでは、サミット議題に沿って、ご報告いたします。

ごめんなさい…2時間のボリュームだったので、ここで報告できることは限られますが…

議題1 平成30年度の介護保険制度及び医療保険制度同時改定で事業所、近隣地域で変化があったこと

北星館 向出氏

「利用者様のご自宅に訪問する機会が増え(住環境のアセスメント、生活リハビリの視点で)業務の仕方に大きく変化がある」

「ご家族との関わりも深くもっていかなければならない→ご家族の介護力、生活状況、地域とのつながりをしっかりと把握する必要がある。」

「居宅介護支援事業所のケアマネージャーに老人保健施設は入りにくくなったと言われるが…ベッドの回転率を落としてもしっかりと運営できるようになったため少し緩和されるのでは。」

特別養護老人ホームくりのさと 澤川氏

「基本単位が上がった」

「褥瘡予防、排泄支援の加算が算定できるようになった」

「看取り介護加算の強化」など

議題2 生活困窮者(生活保護受給者)の受け入れ対応

りんごハウス 緒方氏

「生活保護受給されている方の金額で入居できる」

「身元保証人のいない方も受け入れている」
例1)
年金16万円/2か月 月1万円 病院にかかる 残り7万円しか残らない/月
生活保護申請の援助を行い、入居するなどのケースがある。
例2)
家族に保護費を搾取されていた事例
成年後見制度利用にも時間がかかる、社会福祉協議会で実施している日常生活支援事業は(住宅型有料老人ホーム)は利用できない。(千歳市では生活支援員は住宅型有料ダメ)

座長「何か事情があるかわからないが、住宅型有料老人ホームは、一般の住宅と変わりないので、これは課題提起すべき」

座長「市内のグループホームについては13施設あり、そのうち、生活保護受給の受け入れについては、5施設が不可である。その他2件は要相談(一応可能)であるが難しいようである。

ガーデンハウスくりやま 山本氏

「介護老人保健施設の運営は医療法人の運営がほとんどだが、当施設は、社会福祉法人が運営している。

社会福祉法人の2種事業というものに、低所得者の利用料金減免制度がある。

100名中10名が利用しており、トータルの負担額は月4万円程度

栗山町の住所でなくても利用可能(近隣地域でも可能)なので困っている地域の方は相談してほしい。」

議題3 医療制度の改定で介護老人保健施設が受けた影響は?

エスポワール北広島 佐藤氏
「地域包括ケア病棟の在宅復帰率の分子から介護老人保健施設入所について除外されたが…北広島ではそこからの相談はあまりなかったので影響は少なかった」
北星館 向出氏
「千歳でも同じような状況である」

議題4 地域包括ケアシステムが重要視される中で、特別養護老人ホームの地域での役割

くりのさと 澤川氏

「町内会等における施設見学等のご案内、小中学生への施設見学や交流、ボランティアの受け入れ強化(利用者ご家族にもボランティア協力をお願いをしている。また、地元企業との連携を強し、施設内のアクティビティのご案内(介護予防のリハビリテーションなど)さらに、地域行事との関わりを強化している。町内会の盆踊りなどに積極的に協力している」

やまとの里 今成氏

「学生の施設見学を対応また、地域町内会への施設機能を知っていただく啓蒙活動をしている。また、専門職(介護・栄養)が自宅を訪問し、介護技術(オムツの使用方法)を伝達するなどの取り組みをしている」

議題5 人材不足、人材確保について

エスポワール北広島 佐藤氏
「北広島市では「福祉人材確保対策支援金」を創設し、

対象者:北広島市内の事業所、施設に新規で就職する人で事業所で定められる資格を保有する人

条件:6か月以上勤務すること

その他:高齢者分野だけでなく、障がい者支援、保育事業でも

上記条件で10万円支給。他市町村から北広島市に移住した場合さらに10万円を支給される。

また、6月3日に北広島市が主催で福祉の合同就職相談会を開催予定で22法人が出展する。」

ガーデンハウスくりやま 山本氏

「法人全体で職員の紹介(友人・知人)紹介すると金一封の制度がある。また栗山町の介護福祉士養成校から実習生を受け入れしそのまま就職に繋げている。」

「今現在働いている職員の人材育成 研修に力をいれており、新規採用しても長続きしないケースが多くあり、みんなで楽しく仕事をしようと考えている。」

ガーデンハウスくりやま 田中氏(来場者)

・グランドパートナープロジェクト(札幌)
→ 働ける時間に働ける量だけ働く
例えば…「定年退職後に、2時間だけ利用者と話す仕事」「学生が1時間掃除できます」等
仕事内容や時間によって時給を設定し採用。変則でもいいから働ける人がいないか…と考えた。

座長「栗山町の介護学校生のアルバイトについて、アルバイトの発想が介護医療業界少ない。このような視点は重要だと考えるので、今後の各地域の考え方に影響を与えるのでは…」

今回ご紹介したのは、活発な議論の一部分です。

会場からの情報提供もたくさんあり、参加者にとっても大変有意義だったようです。

以下、参加者アンケートより

Q「施設サミットを聞いて、今後の業務に活かせること」

・ 生活保護受給者の入所先について、今後の業務に活かしたい
・ 他市町村の情報が聞けてとてもよかった
・ 仕事に対するやる気の向上
・ 施設の事情の理解
・ 千歳市内だけでなく、市外の施設にも相談しやすくなりそう。
・ 施設の方の顔が見えて取り組み内容を聞けたことでお客様にも紹介しやすくなった
・ 自分の住んでいる地域以外の情報
・ 他施設の取り組みを聞くことができ勉強になった。
・ シンポジストになられた施設の実情を伺うことができた
・ 職員採用の仲介など
・ 自分の職場以外の話が聞けたのでそれを踏まえて今後の連携に活かしたい
・ 離職防止と採用紹介報酬の件が参考になった
・ 「愛のある方を採用する」に感銘を受けた
・ 学生の受け入れや心構え
・ 採用後の対応方法
・ 病院と老健以外の知識が薄かったので、他法人の老健や特養、住宅の状況が知れて勉強になった。
・ 千歳市以外でも受け入れをしていただける施設がわかってよかった。
・ 制度改正で各施設がどのような取り組みをしていくのか方向性がわかりやすかった
・ 千歳市外の施設の状況がわかり、今後の利用者への情報提供に役立てたい
・ 老健や特養における制度改正により変化した取り組みや生活困窮者への対応の現状を理解できた
・ 今後の入退院調整に今日の内容を踏まえた上で対応できると思う
・ 『愛』

今回のイベントの目標でもある、近隣地域の状況や社会資源、各施設の事情を理解した上で、お互いの地域で困っていることを共有し、協力できる部分は、協力できる…そんな状況が今後、増えていくような前向きな意見がたくさんありますよね。

最終的には、利用者様、患者様の選択肢が広がり、ケアマネージャーやソーシャルワーカーも支援の幅が広がりそうですね。

最期に、今回、お忙しい中、ご参加いただきました、シンポジストの皆様

そして、それぞれの地域から、駆け付けてくださったご近所地域の素敵な皆様

本当にありがとうございました。

皆様、またいろいろ協力しましょうね。

そして、第3回施設サミットは、栗山で開催したいなぁー…

ねぇーガーデンハウスくりやまの田中さん!

 

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